コールセンターの求人や特集記事などでよく目にするスーパーバイザー(SV)。
名前はよく聞くものの、どのような仕事をする役職なのか、どのようなスキルや経験が求められるのか、どのようなキャリアパスで目指すことができるのかわからない人も多いでしょう。
難しそうな役職に感じますがオペレーターとして経験を積めば誰でも目指すことができ、収入アップも期待できる役職です。
ここではSVの仕事内容や求められる能力、向いている人の特徴など詳しく解説します。
スーパーバイザーの仕事内容
オペレーターの教育や研修のほか、働きやすい環境を整えたり、クライアントに業務報告をしたりなどコールセンターの管理や統括をメインに行います。
顧客対応を行うこともありますがマネジメント業務が中心。コールセンターによって異なりますが、1人のSVが10~20名のオペレーターを管理するのが一般的です。
管理するオペレーターをまとめて目標を達成する、顧客満足度を高めるなど、SVにはリーダーシップが求められる部分も多く大きなやりがいがあります。
またSVの仕事は応対数、応答率など数字で管理できるものも多いため、頑張りを数値で表すことが可能。
適切な評価を得ることができるのでモチベーションも維持できます。
マネジメント業務を行う分、オペレーターよりも給与が高く設定されているケースがほとんど。
コールセンターによってはSVになるタイミングで正社員など雇用形態の変更が行われることがあります。
収入が安定するほか権限も大きくなるため、働きやすくなったと感じる人も多いようです。
SVの仕事内容についてさらに具体的にみていきましょう。
・オペレーターの教育・研修
コールセンターは未経験者歓迎の求人が多いため、オペレーターの教育は欠かせません。研修のプランやマニュアルはSVが中心となって作成します。
OJTが導入されているコールセンターではリーダーがオペレーターの研修にあたることが多いですが、SVが直接指導することもあります。
日々のオペレーターの働きぶりを見て、適切なフィードバックを行い成長を促すことも重要な仕事です。1on1の面談やキャリアアップ研修の実施など、SVの仕事は多岐に渡ります。
オペレーターの成長を促進することで管理するチーム全体の成績も向上。結果としてSVとしての評価も高まっていきます。
教育や研修には時間と労力がかかりますが、SVとして大変重要な仕事です。
・適切な人員配置を行う
シフト制が導入されているコールセンターでは、SVがシフト管理を行います。オペレーターの希望を聞きながら、適切なシフトを組んでいく作業はSVの腕の見せ所です。
クライアントや担当部署に相談し、忙しくなる時期や時間が事前にわかっている場合はオペレーターを増やす、慢性的にオペレーターが不足している場合は求人を出すことをセンター長に相談するなど、業務に支障がでないよう常に適切な人員配置をすることが求められます。
・品質管理
コールセンターのオペレーターは企業の顔としてお客様に接するため、お客様対応の品質は一定に保たれている必要があります。
オペレーターによって対応に大きな差が出ないよう、マニュアルやトークスクリプトの作成や定期的な見直し、クライアントとの情報交換などはSVが行います。
・業務報告
クライアント対応もSVが担います。クライアントと定期的にミーティングを行い、目標や課題を確認。
クライアントから任された目標数値を達成するために、SVは対策を考えて実行、結果を報告します。
また、クライアントや担当部署にお客様の生の声を集めて伝えることも重要な仕事。集められた声が商品やサービスの開発・改善に活かされることもあります。
そのため、クライアント企業や担当部署と密なコミュニケーション、良好な関係を構築することが求められます。
・クレーム対応
基本的なクレームはオペレーターが対応しますが、厄介な案件、判断が難しい案件はSVが対応。
瞬時に状況を把握してオペレーター時代の経験を活かし、責任をもって解決にあたります。
・コールセンターの業務改善
オペレーターとの面談を通して意見を吸い上げ、より快適に働けるようコールセンターの業務改善に向けて動くことも求められます。
現在、チャットボットやAIの導入によりコールセンターの業務効率化が進んでいます。しかし、全ての顧客対応がチャットボットやAIにできるわけではありません。
特にSVが行うマネジメントや教育はAIによる代替が難しい仕事です。そのためSVの仕事はなくなることはなく、むしろ重要性が高まっていくと言えるでしょう。
スーパーバイザーに必要なスキル
SVにはオペレーターとしての豊富な経験のほか、コミュニケーション力やリーダーシップ、マネジメントなど多彩なスキルが求められます。具体例とともに詳しく見てみましょう。
・業務遂行力
SVになると顧客対応件数は減少しますが、オペレーターが対応できない案件を引き継いで対応するため、難易度の高い案件を対応することが多くなります。
今までの対応履歴や状況を瞬時に把握、事態収束に向けて適切に判断を行いつつ、適切な言葉遣いで話すことが求められます。
そのためオペレーターよりも高い業務遂行力や知識が必要です。
また現場の知識に詳しいSVはオペレーターから質問や相談を受けた際、適切に回答できます。
オペレーターからの信頼度が増すほか、チームとしての一体感も形成されやすくなるなどメリットが満載。
SVを目指す場合は、まずオペレーターとして十分な経験を積むことが欠かせません。
・コミュニケーション力
オペレーターをまとめ、チーム一丸となって目標達成をするためには、チーム間で良好な人間関係を築くことが重要です。
オペレーターのモチベーションの管理・維持もSVに求められます。
定期的に面談を行う、評価基準を明確にする、どのオペレーターにも公平に接する、適切なタイミングでフィードバックするなどして、信頼関係を構築していきます。
私情を挟みすぎて派閥を形成する、特定のオペレーター贔屓にするなどを行うと、優秀な人材が定着しません。
目標未達成が続くと、SVとしての資質も問われてしまします。
またオペレーターは20代から50代までと年齢の幅が広く、SVよりも年上のオペレーターが部下になることもあります。
オペレーター時代に磨いた高いコミュニケーション力を武器に、チーム全体をまとめることが求められます。
・マネジメント能力
SVには目標達成というミッションがありますが、目標達成を重視するあまりオペレーターの負担や教育を無視してはいけません。
常にオペレーターの育成・教育を重視して考えることが求められます。
たとえば同じような問い合わせやクレームが続く場合、商品やサービスに問題がある場合もありますが、電話応対の説明の仕方がわかりにくいなど、電話対応にも原因がある可能性があります。
業務が忙しすぎるとオペレーターの負荷は増加、特にクレームが多い場合は精神的な負担も大きくなります。
すると応対品質が低下、さらにクレームが増えていくという負のスパイラルが発生。
常に全体を見渡し、早いうちに問題の芽を摘み取り対策をとることが必要です。
商品やサービスに問題がある場合は、改善を求めてクライアント企業や担当部署に交渉することも求められます。
オペレーターやチーム全体の業務量や負担を把握し、働きやすい環境を整えることも重要な仕事です。
・数値管理能力、論理的思考力
コールセンターの品質や成果は応対件数や応答率、架電率などの数字で判断します。
そのため数値を適切に分析し、論理的に読み解ける力が求められます。
どの業界でも論理的思考力は求められますが、特にSVには強く求められます。
業務効率化を提案する際に、根拠がない案や数値目標を伴わない案はセンター長をはじめ、ほかのSVの共感を得られません。
現場の声や品質指標などのデータを集め因果関係を分析、論理的にプレゼンテーションをすると納得感が増します。クライアントに提案する際にも、論理的思考力は必要です。
数値の分析に数学や統計学の高度な知識は不要ですが、数字が苦手ではないことが求められます。
またExcelやAccessといった業務ツールを使って分析を行うため、基本的なPC操作スキルがあるとよいでしょう。
プレゼンテーションを頻繁に行う場合は、PowerPointのスキルがあると有利です。
・臨機応変な対応力
マニュアルがあるオペレーターとは異なり、SVの業務は定型業務が少なく常に臨機応変な対応が求められます。
突発的なトラブルが発生することも多いので常にゆとりを持ち、チーム全体を見渡して対応できる柔軟性が求められます。
求められる資質
SVになるために専門資格は不要であり、誰でも挑戦することができます。しかし適性がある方のほうが大きく活躍ができるでしょう。
自分に不足している資質がある場合は、意識して資質を伸ばしてみてください。
・リーダーシップ
オペレーターの教育・育成などサポート業務が多くなるため、チームを引っ張っていくリーダーシップや面倒見の良さが求められます。
人の役に立ちたい、困っている人を助けたいなど、インバウンドのオペレーターに求められるスキルは当然SVにも求められます。
また頼られることが多い、思いやりがあってやさしいと人から良く言われる方にも適性があります。
・感情をコントロールできる
オペレーターの教育やクレーム対応など、仕事が多岐に渡るため体力的、精神的にも負荷がかかりがちのSV。
特に忙しい時に厳しいクレームを受ける、トラブルが同時多発した時は感情を露わにしたくなることもあるでしょう。
また、お客様から心無い言葉をかけられてネガティブな感情になることもあります。
しかし、常に感情をコントロールし冷静に判断してトラブルを一つ一つ解決していける人や、ネガティブな感情を引きずらずに気持ちを切り替えていける人は適性があります。
オペレーターとして働きながら感情のコントロール力を高めていくこともできるため、意識して磨いておきましょう。
・人間関係の調整が得意
SVはセンター長やオペレーター、クライアントの間で働くため、中間管理職としての業務が多くなります。
センター長の掲げる目標や運営方針をわかりやすくオペレーターに伝え、円滑なセンター運営に貢献します。
時にはセンター長やクライアントと、オペレーターの間で板ばさみになることもあるでしょう。
またシフト管理では業務に穴をあけることは許されないため、オペレーターの希望が全て叶えられないこともあります。
オペレーターにシフトの交渉する、特定の人に業務が偏らないよう配慮するなど、不平や不満がたまらないように人間関係の調整業務が多くなります。
コールセンターの場合、同じフロア―に全ての役職がそろっていることも多く、顔を合わせる機会も増えます。
そのような中で良好な人間関係を築き、人間関係の調整が苦にならない人は適性があると言えるでしょう。
目指し方
オペレーターとして数年の経験を積んだら、リーダーに昇格。マネジメント業務を少しずつ経験しながら、SVを目指すのが一般的です。
リーダーは模範的な電話対応ができる、マニュアルを理解しているといった一定の業務遂行レベルに達し、面倒見がよいなど適性がある場合、SVからリーダーになることを打診されることが多いようです。
リーダーになるとOJTとして新人オペレーターを指導したり、資料作成などSVの仕事をサポートしたりして少しずつSVの仕事を学んでいきます。
SVとしてキャリアを積んだ後は、複数のチームを管理するマネージャーやセンター長といったキャリアが見えてきます。
スーパーバイザー目指すなら「そうキャリ」からスタート
SVはオペレーターとしての経験があれば、誰でも目指すことができます。
特にコールセンター派遣は求人数が豊富なため、エリアや就業時間など希望する求人を見つけやすいほか、未経験者歓迎の求人が多く研修体制やマニュアルも充実。
初めてコールセンターで働く方におすすめです。
派遣社員なら契約書に記載された業務のみを行えばよいため、会議や雑務といった仕事は基本的にありません。
お客様対応に特化して経験を積むことができ、オペレーターとしてのスキルを大きく伸ばすことができます。
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未経験者OK、週3日以下、駅チカ、駐車場あり、扶養範囲内など細かい条件を指定して求人の検索も可能です。
また、既にオペレーターとしての経験がある方は、リーダーやSVの求人もあるため、コーディネーターに相談してみてください。
オペレーターから始めて、SVを目指したいという方は早めにコーディネーターにお知らせください。最短距離でSVを目指せるよう、適切な職場を紹介します。
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