コールセンターに電話をかけたことはあっても、働いたことがない人にとってコールセンターの内部はわからないもの。
いろんな人から電話がかかってきて楽しそう、クレーム対応が厳しそうなど印象はさまざまですが、実際はどうなのでしょうか。
今回は経験者が大きくうなずく「コールセンターあるある」を紹介。まずは仕事&職場編です。
あるある1:ファッション性の高い人に出会える
電話応対がメインとなるため、服装や髪型が自由なコールセンターがほとんどです。
自分の好きな服を着たい、ヒールのある靴を履きたくない、自由な髪色やネイルを楽しみたいといった人がコールセンターでは多く働いています。
夢を追い求めている人も多いため、金髪だったり個性的な服装だったりとファッション感度の高い人もちらほら。
運よく趣味やファッションセンスが合う人に出会えれば親友になることもできます。
ネイルも自由に楽しめますが、長すぎる、飾りが多すぎるなどパソコン操作ができないレベルのネイルはNG。
仕事に支障がでなければ、比較的自由度の高いネイルやファッションが楽しめます。
あるある2:全国の方言が聞ける
全国展開している商品やサービスの応対、通信販売の受付などは、全国各地から電話がかかってきます。
コールセンターによって異なりますが、電話をかけてくるのは高齢者が多いため、北海道から沖縄まで全国各地の方言が聞けることも。
時には聞き取りが難しく何度も聞き直してしまうこともありますが、楽しみながら働くことができます。
地元の方言を久しぶりに聞いた方は、ついつい方言で対応してしまわないよう、気を付けなければなりませんね。
あるある3:ご近所さんからの電話で気持ちが明るく
登録型のサービスや修理や通信販売の受付では、顧客情報の住所を確認したり、住所を伺ったりすることがあります。
全国からの電話応対を受け付ける中、偶然にも自分の近所の住所だったり、地元だったりとゆかりのある地域から電話がかかってくることも。
確率はかなり低くなりますが、知り合いや同級生からの電話に対応することもあります。
アウトバウンドの場合は対応するリストによって、自分の住んでいるエリアのリストに電話をかけ続けることもあります。
もちろん、自分が近所に住んでいることや知り合いだということをオペレーターから話してはいけません。
マニュアルにそって冷静な対応を行いますが、心の中では勝手に親近感を覚えてしまうこともあるでしょう。
いつもより明るい声で対応してしまう、少し丁寧な対応になってしまう人も多いようです。
あるある4:長い話につかまってしまう
電話をとってみたら、関係のない話をお客様が始めたり、愚痴を言い出したり…クレームかと思って身構えていても、本題に入ることなく満足するまで話したら電話を切るというお客様に出会うことも意外と多いもの。
コールセンターに目的があって電話をかけてくるのではなく、誰かに話を聞いてもらいたいため電話をかけてくるケースです。
孤独を感じている高齢者に多く、オペレーターに話を聞いてもらうことでストレス解消につながっているようです。
身の上話は興味深く、聞き上手の方ほど熱心に聞いてしまいがちですが、話が長いため丁寧に聞いていると他のお客様を待たせてしまうことになります。
将来顧客になる可能性があるため失礼な対応はとれませんが、ある程度のところで話を打ち切る必要があります。
あるある5:「新人さん?」と言われ、新人であることがばれる
コールセンターは未経験者歓迎の求人が多いため、研修が充実しています。
多くの場合、座学の研修でコールセンターシステムの使用法やビジネスマナー、敬語の使い方を学んだあとロールプレイング形式で練習。体に知識や発声方法、言葉遣いを染み込ませます。
その後、リーダーやスーパーバイザー(SV)のサポートを受けながらお客様対応を始めます。
リーダー等に研修で合格をもらってからお客様対応を行いますが、実際にお客様対応を始めると「新人でしょ?」と言われてしまったという声をよく聞きます。
マニュアルにないことを質問されて戸惑いが声に表れてしまった、調べるのに手間取り回答までに時間がかかってしまうと新人と判断されてしまうようです。
「焦らなくていいよ」「これから頑張ってね」とおっしゃってくださるお客様もいますが、なかには新人が対応したこと自体に腹を立て「上の人に代わって」と言われることもあります。
しっかり練習をして、誠実な対応をしても理不尽なクレームを言われるのは傷つくものです。
デビュー当初、対応に時間がかかるのはある程度仕方のないこと。経験を積んで、スムーズに対応できるよう努力を重ねましょう。
落ち度がないのにクレームが言われた場合は、気を取り直してすぐ次の電話応対を始めるなど、気持ちの切り替えも必要です。
あるある6:リーダーやスーパーバイザー(SV)が教育熱心
基本的なことはマニュアルに書かれていますし、よくある質問はトークスクリプトが用意されています。
しかし時にはマニュアルではカバーできない問い合わせがくることも。
そのような時はリーダーや上司であるSVに質問したり、指示を仰いだります。
簡単な指示で終わるだけの場合もあれば、電話応対内容をSVも聞きながら、オペレーターだけに聞こえる声で指示をするウィスパリングを行うこともあります。
サポートをしてもらえるのは助かるのですが、お客様の声とSVの指示を同時に聞く必要があるため、声が被ってしまい負担が多いと感じる人も多いようです。
いっそのこと、SVにエスカレートし対応を代わってもらいたいという声もよく聞きます。
しかしSVからすると優秀なオペレーターに育ってもらいたい、将来はSVになってほしいという熱意の表れです。
期待されているとポジティブにとらえましょう。
あるある7:前職ルールが抜けない
基本的なビジネスマナーや敬語の使い方はどのコールセンターでも一緒ですが、細かいルールはコールセンターによって若干の違いがあります。
派遣としてさまざまな職場を経験することが多いオペレーターほど混乱しがちですが、前職のルールにこだわることなく、新しい職場のルールに馴染めるよう努力をしましょう。
特に休憩のルールは注意が必要です。コールセンターはオペレーター全員が揃って休憩をとることはなく、交代制で休憩を取ります。
休憩をいつ、どのくらいとってよいか、同時に何人まで休憩に入っていいか、休憩に行く際にSVに報告が必要かなど、コールセンターによって休憩のルールは異なります。
慣れるまで大変ですが、「郷に入っては郷に従え」の精神が大事です。
職場のルールに従うことが大事ですが、あまりにも非効率的である、法律に違反しているという場合はSVに改善案を提案する、派遣社員の場合は派遣会社のコーディネーターに相談するなど、解決にむけて動いてみるのもよいかもしれませんね。
あるある8:女性の人数が多い
オペレーター、SVには男性も女性もいますが、比較的女性の人数が多いコールセンターが多い傾向です。
コールセンターや時間帯によっても異なりますが、女性が7~8割ということも。
1日3~4時間という短時間で働くことが可能なため、子育て中の主婦や介護をしている人でも働きやすく女性が多く働いています。
24時間営業のコールセンターでは深夜帯の勤務もあり、昼間よりも時給が高くなるため、夢や目標を追っている人やダブルワーカーも多く働いています。深夜帯になると男性の比率が高まります。
あるある9:ガチャ切りされる確率が高い
目的があってかけるインバウンドと異なり、アウトバウンドコールはお客様にとっては予定外の電話です。
急に知らない電話番号からかかってくるため、電話に出てもらえない、出てもらえたとしても名乗る前に切られてしまうということがよくあります。
あるある10:詐欺電話と間違えられることが多い
「振り込め詐欺」や「還付金詐欺」など電話をきっかけとした詐欺電話が増えているため、正当な商品やサービスのご案内でも、詐欺電話と間違えられることも「あるある」事例です。
警戒心が高いお客様が多いため「最初に名乗ってください」「どこでこの電話番号を知ったのですか」と質問攻めにあうこともあります。
一度詐欺だと思われてしまった場合、丁寧に説明しても詐欺だと誤解されたまま、電話がきれてしまうことも。
最近は携帯電話だけでなく、固定電話でも事前に番号が表示されることがほとんどです。
コールセンターからの発信はフリーダイヤルからの発信になるため、番号を見た段階で営業や詐欺の電話だと判断され、出てもらえないこともあります。
ガチャ切りされたり詐欺電話を疑われたりしても、すぐに気持ちを切り替えて、電話をかけ続ける強いメンタルが求められます。
ガチャ切りや疑われることが苦手という方は、アウトバウンドではなく、コールセンターにかかってきた電話に対応するインバウンド業務を選びましょう。
あるある11:つい出てしまう前職のクセが恥ずかしい
接客や販売職からの転職してきた方は、コミュニケーション力が高くコールセンターでも即戦力として活躍できます。
しかしお客様に接する際につい「いらっしゃいませ」の一言が口から出てしまうことも。
医療関係から転職してきた方は、電話をクローズする際に「お大事にしてください」と言ってしまい、すぐに言い直したという話もききます。
すぐに「失礼いたしました」と謝って対応を続ければよく、お客様からみればクスリと笑ってしまうようなミスですが、オペレーターとしては恥ずかしいですよね。
あるある12:新人研修中に仲良くなった同期が辞める
コールセンターは同時期に大量採用することが多く、同期と励まし合いながら研修を乗り切ることができます。
しかし研修を受ける中で、お客様対応に自信がなくなった、自分には合わないと辞めていく同期がいます。
仲良くなった場合は残念ですが、仕事には向き不向きがあるため、割り切ることが大事です。
あるある13:同期と顔をあわせる機会が意外と少ない
研修は一斉に行うため、ランチや休憩などを一緒にとることができ仲が深まっていきます。
しかし実際に仕事を始めると休憩時間が揃うとは限らず、席と席の間にパーテーションがあるため、同じフロアにいても意外と顔を合わせる機会は少ないものです。
仲良くなった同期とは連絡先を交換し、休みの日を合わせてショッピングやランチに行くというのがコールセンターあるあるです。
あるある14:待ち呼(まちこ)に焦る
オペレーターが対応中で電話が繋がらず、お客様が呼び出し中のまま待機している状態を待ち呼と言い、忙しい時間帯やお客様の対応が長くなっている時によく発生します。
待っている時間が長いとお客様がイライラし、第一声からオペレーターに怒りをぶつけてくる方も。
SVは待ち呼が少なくなるようオペレーションを見直したり、人材を育成したりします。
待ち呼が増えていくと焦ってしまいますが、声に表さず、一人一人のお客様に真摯に向き合えるようになると一人前と言えるでしょう。
あるある15:いたずら電話が多い
電話をとっても無言、吐息だけが聞こえる、卑猥な言葉を言われるなどセクハラまがいのいたずら電話も意外と多いものです。
女性オペレーターの時に多く、男性オペレーターが電話に出た場合は、すぐに切るケースがほとんどです。
基本的にオペレーター側から電話を切ることはありませんが、明らかにいたずら電話の場合はSVに報告し、丁寧に断りを入れてから切断することもあります。
あるある16:未経験からでもSVになれる
オペレーターの経験を積めば、誰でもマネジメント業務を行うSVを目指すことができます。
一定のレベルでお客様対応ができるようになった段階で、マネジメントに興味がある、面倒見がよいといった場合は、SVからリーダーを打診されます。
リーダーとして新人育成やSVのサポート業務を行い、適性があると判断された場合はSVにキャリアアップすることができます。
専門的な知識や資格は不要なため、未経験のコールセンター派遣から始めてSVになっていくのが一般的なルートです。
SVになると時給アップや正社員への雇用形態の転換、権限の増加などでやりがいが大きく増します。
コールセンター業務が楽しい、自分に合っていると思ったら、ぜひSVを目指してみてください。
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