オフィスワークがはじめての人は、未経験でも働きやすい業界を選ぶと安心です。専門性や将来性などに注目してスキルアップがめざせる業界を選ぶと、キャリアプランも立てやすくなりますよ。
本記事では、事務職未経験の方へ向けて、挑戦しやすい業界の特徴、おすすめの業界、転職を成功させるポイントを紹介します。これからオフィスワークデビューをめざす方は、ぜひ参考にしてくださいね。
事務職未経験が働きやすい業界の特徴
事務職にはさまざまな業界から求人が集まっており、それぞれの分野で求められるスキルや知識が異なります。まずは、未経験でも事務職として働きやすい業界の特徴を見ていきましょう。
①求人が豊富にある業界
未経験から事務職を始める際には、求人数の多い業界を選びましょう。求人数が多いということは、今需要が高まっている業界です。業界自体が人手不足であるため、成長意欲のある人材を積極的に採用しており、事務職未経験でも挑戦しやすくなっています。
求人数が豊富な業界であれば、派遣契約が終了しても、同じ業界の別の会社で働くことができます。業界経験があれば採用される確率も高まるので、今後のステップアップに役立つのもおすすめポイントです。
②有効求人倍率が高い業界
求人数の多さと合わせて、有効求人倍率も確認しましょう。有効求人倍率とは、求職者者1人に対して、求人が何件あるかを示す数値です。
有効求人倍率の計算式
有効求人倍率(倍)=月間有効求人数÷月間有効求職者数(ハローワーク登録者) |
有効求人倍率が高い業界ほど、人材採用に積極的で就職しやすい傾向にあります。有効求人倍率が「1」以上であれば売り手市場、「0.9」以下であれば買い手市場と判断できるでしょう。
未経験から事務職へチャレンジする場合は、求職者が有利となる有効求人倍率「1」以上の売り手市場の業界がおすすめです。
有効求人倍率は、厚生労働省が毎月公表しています。業界別、雇用形態別などにまとめられているため、求人を探す際はチェックしておきましょう。
③定型業務が多い業界
未経験から事務職を始めるなら、定型業務(ルーチンワーク)がメインの仕事がおすすめです。
事務職は定型業務が多い仕事ではあるものの、業界によっては状況を判断して臨機応変に対応しなければならないケースもあります。未経験者にとってイレギュラー対応はハードルが高いので、自分のペースでコツコツ仕事ができる業界の事務職を選びましょう。
入社後の研修体制が整っているかもポイントです。仕事について相談できる先輩がいる、いつでも確認できるマニュアルがあるなど、未経験者の受け入れに積極的な職場を選ぶといいでしょう。
④業界知識・専門スキルが得られやすい
業界知識を学べる事務職を選べば、働きながらプラスアルファの専門性を身につけることができます。今後はIT化が進んで事務職の求人が減る可能性もあるため、早い段階から専門性を習得し、業界で活躍できる事務職をめざしましょう。
特定の業界に強みがあれば、転職でも有利になりますし、業界で活かせる資格取得にもチャレンジできます。専門性を極めれば、キャリアチェンジも叶うでしょう。
ただし、事務職未経験の場合、業界の専門用語を頻繁に使うような仕事は、レベルが高いと感じる可能性もあります。無理なく仕事を続けるためにも、最初は簡単なファイリングやデータ入力から始まり、段階的にスキルアップできる職場がおすすめです。
⑤ホワイト企業が多い業界
残業が多い、離職率が高いなど、従業員が働きにくいと感じる業界は避けたほうが無難です。せっかく事務職として採用されても、労働環境が悪いと退職を考えざるを得ないケースもあります。
労働環境が整っている、いわゆる「ホワイト企業」の特徴は、以下の通りです。
- 残業が少ない
- 離職率が低い
- 福利厚生が充実している
- 研修体制が手厚い
- 有給が取りやすい
- 風通しがよく、社員同士の関係が良好
- オフィス環境が整備されている
ホワイト企業かブラック企業かは企業の体制によるため、業界で一括りにはできませんが、「傾向的にホワイト企業が多い業界」はあります。事務職の求人を探す際に、働きやすい業界かどうかもチェックすると安心です。
事務職未経験にオススメの業界4選!
未経験から事務職を始めるにあたって、具体的にどのような業界を選べばよいのでしょうか。ここでは、事務職未経験者に狙い目の4つの業界を紹介します。
金融業界(金融事務)
保険会社・証券会社・銀行などの金融業界の事務職は、専門性を高めたい人におすすめです。
金融業界(金融事務)のおすすめポイント
- 市場規模が大きく、業界全体が安定している
- スキルよりも人間性が評価されやすい
- 入社後の教育や研修が手厚い企業が多い
- 金融商品や保険など専門的な知識が身につく
金融事務の主な仕事内容は、データ入力や書類管理、電話・メール対応、窓口での顧客対応などです。入出金の記録や保険金請求の対応など、お金に関する仕事がメインとなるので、几帳面な性格で数字の扱いが得意な人に向いています。
金融業界には、銀行、証券会社、保険会社、クレジットカード会社などがあります。それぞれの業界で詳細な仕事内容や身につく知識が異なるため、自分がどのような企業で働きたいのかを明確にしておくとよいでしょう。
金融事務として働きながら、証券外務員やファイナンシャルプランナーの資格を取得し、キャリアチェンジをめざすこともできます。金融事務の経験があれば、倍率の高い大手銀行や証券会社への転職も叶えやすくなるでしょう。
IT業界(IT事務・ITサポート)
IT事務・ITサポートは、IT技術を駆使して事務業務を行う仕事です。IT業界は人材不足が続いているため、未経験でも採用される確率が高いという特徴があります。
IT業界(IT事務・ITサポート)のおすすめポイント
- 業界が急成長しており、将来性が高い
- IT技術・WEB知識が身につく
- IT人材は需要が高いため転職先に困りにくい
- 未経験者歓迎の求人が比較的多い
IT事務の主な仕事内容は、PCの初期設定やソフトウェアのダウンロード、IT機器のマニュアル作成、エンジニアの補助といったITに関わる業務です。未経験の場合は、データ入力や問い合わせ対応など簡単な業務から任せてもらえる職場を選びましょう。
ITは日々進歩しているので、勉強意欲が強く、新しいことに積極的にチャレンジしたい人におすすめです。IT事務で経験を積み、将来的にエンジニアをめざすという道もあります。
昨今は企業のDXが推進されていることもあり、ITに関する知識のある事務職は、多方面の業界から必要とされるでしょう。派遣契約終了後に、就業先や転職先が見つかりやすいというのもポイントです。
広告業界(広告事務・広報事務)
トレンドに敏感な人は、広告業界の事務職をめざすのもおすすめです。クリエイティブなイメージが強い広告業界ですが、事務職であれば特別なスキルがなくてもチャレンジできます。
広告業界(広告事務・広報事務)のおすすめポイント
- 広報活動・広告業務について学べる
- マーケティングやWEB知識が学べる
- 大手企業が多い
広告事務・広報事務の主な仕事内容は、PCを使用した集計・分析業務やデータ入力、顧客対応などです。仕事に慣れて業務範囲が広がれば、WEB知識やデザインのスキルも身につきます。マーケターやデザイナーの仕事を間近で見て、刺激を受けることもできるでしょう。
広告には、インターネット、雑誌、TVなどさまざまな媒体がありますが、未経験者でチャレンジするなら急成長を遂げているインターネット広告市場がおすすめです。
特に、SNSや動画サイトに挿入される動画広告は勢力を伸ばしており、未経験者の採用も積極的に行っています。
製造業界(製造事務・工場事務)
若手人材が不足している製造業界も、事務職未経験者におすすめの業界です。定型業務が多く、高度なスキルが必要ないため、PCに慣れていない人でもチャレンジしやすいでしょう。
製造業界(製造事務・工場事務)のおすすめポイント
- 未経験歓迎求人が多い
- 高度なPCスキルは求められない
- 来客応対が少ない傾向にある
- 医薬品・食料品・衣服・化粧品など種類が豊富
- 自動車メーカーや家電メーカーなどの大手企業が多い
製造事務・工場事務の主な仕事内容は、受発注業務、在庫管理、電話応対、データ入力、書類作成などです。
現場の職員とコミュニケーションを取る場面も多いため、PCスキルよりも人柄や意欲が重視される傾向にあります。真面目にコツコツ働ける人であれば、オフィスワークがはじめてでも無理なく働けるでしょう。
製造業界には、医薬品や繊維、食料品などさまざまな種類があるため、自分が興味のある分野を選べるという点もポイントです。間接的にモノづくりに携われるので、「自分が関わった商品が市場に出る」という喜びを感じることもできます。
「未経験から事務職」転職成功のポイント
事務職は人気の職種なので、有効求人倍率が高い業界を選んでも、必ず採用されるとは限りません。未経験でも採用してもらうためには、自分の強みや意気込みをアピールすることが大切です。
ここでは、未経験から事務職への転職を叶える3つのポイントを紹介します。
コミュニケーションスキル・ビジネスマナーを身につける
コミュニケーションスキルとビジネスマナーは、業界や職種を問わず、社会人に必須のスキルです。事務職は社内外の人と協力しながら仕事を進めていくので、良好な人間関係の構築に欠かせないコミュニケーションスキルとビジネスマナーはしっかり押さえておきましょう。
コミュニケーションスキル
- 自分が言いたいことをわかりやすく伝える
- 相手の話を最後まで聴き理解する
- 挨拶や声かけを積極的に行う
- 相手と信頼関係を築く
ビジネスマナー
- 清潔感のある身だしなみ
- 正しい敬語表現・言葉遣い
- 報連相の徹底
- 来客応対・電話対応・メール対応
- 時間厳守
自分が働きたい業界を明確にする
求人に応募する際は、自分がその業界を選んだ理由を明確にしましょう。「未経験でも採用されやすいから」というだけでなく、取りたい資格や将来的なキャリアアップがイメージできると、仕事へのモチベーションも高まります。
「お菓子が好きだから製菓工場の事務で働きたい」「ITに興味があるからIT事務にチャレンジしたい」という理由でもOKです。自分が好きなことや興味のある業界を選ぶと、仕事にも楽しく取り組めますよ。
事務職や業界で役立つ資格を取得する
事務職・業界が未経験であっても、仕事に役立つ資格を持っていると転職で有利です。働きながら学ぶこともできますが、余裕がある人は転職活動中に資格取得にもチャレンジするとよいでしょう。
・事務職で役立つ資格
MOS:ExcelやWordなどのofficeソフトの操作を証明する資格
日商簿記:企業の経営成績と財政状態を明らかにする簿記の知識を証明する資格
秘書検定:社会人としてのビジネスマナーや一般常識を証明する資格
・業界で役立つ資格
IT業界 | MOS/ITパスポート/日商PC |
金融業界 | 日商簿記/証券外務員/ファイナンシャルプランナー |
広告業界 | MOS/ウェブデザイン技能 |
事務職に関する資格を持っていない人は、まずは汎用性の高いMOSや日商簿記を取得するのがおすすめです。
職場によってはTOEICの点数も評価されるので、自分のスキルを証明できる資格にはぜひチャレンジしてくださいね。
未経験から事務職をめざすなら派遣がおすすめ
オフィスワークがはじめての人は、いきなり正社員をめざすのではなく、未経験歓迎求人が多い派遣の事務職に挑戦するのがおすすめです。事務派遣で経験を積めば、正社員採用にもチャレンジしやすくなります。
事務派遣のおすすめポイント
- 派遣会社の研修を受講できる
- 派遣会社のコーディネーターに相談できる
- 未経験歓迎求人が多い
- 大手企業や希望の業界で働ける可能性が高い
- 豊富な求人の中から自分にぴったりの仕事を探せる
派遣会社ではPCスキルやビジネスマナーなどの研修を用意しているため、働きながらスキルを磨くことができます。研修の内容は派遣会社によって異なるので、派遣会社を選ぶ際は研修の充実度にも着目してみましょう。
派遣会社のコーディネーターに相談すれば、未経験でも働きやすい業界・職場についてアドバイスをもらえます。これまでに培ったスキルを活かせる仕事も紹介してもらえるでしょう。事務職のキャリアをスタートさせたい方は、ぜひ事務派遣を検討してみてくださいね。
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