「派遣社員」と「アルバイト・パート」は、どちらも正社員より時間の融通が利きやすく、介護・育児などで時間が取れない人に働き方です。派遣社員とアルバイト・パートは雇用形態や特徴が異なるので、比較検討しながら自分に合った働き方を選んでくださいね。
今回は【前編】として、介護・育児と事務職を両立したい方に向けて、派遣社員とアルバイト・パートの違いと、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
派遣社員とアルバイト・パートの違い
派遣社員とアルバイト・パートは、働き方の仕組みが大きく異なります。下記は、派遣社員とアルバイト・パートの特徴をまとめた表です。なお、アルバイトとパートには法律上の違いはなく、どちらも「短時間労働者(パートタイム労働者)」に分類されます。
派遣社員 | アルバイト・パート | |
雇用元 | 派遣会社(間接雇用) | 企業(直接雇用) |
業務内容 | 派遣契約で定められた業務範囲のみ | 主に口頭で伝えられ、明確な契約内容などはない |
社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)の加入基準 | ・週及び月の所定労働時間が常時雇用者の4分の3以上で、2ヶ月以上の雇用が見込まれる場合 または、以下の条件をすべて満たす場合 ・学生ではない ・雇用期間の見込みが2ヶ月以上 ・月額賃金が88,000円以上 ・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満 ・勤務先企業の従業員数が101人以上*もしくは100人以下で社会保険の加入について労使合意がなされている(*2024年10月からは51人以上) |
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勤務期間 | 登録型派遣:同一組織では最長3年 無期雇用派遣:期間の定めがなく、合意の上で長期的な勤務が可能 |
制限なし |
給与 | 登録型派遣:時給 | 時給 |
無期雇用派遣:月給 |
派遣社員は、派遣契約に基づき仕事をするので、基本的に契約外の仕事を任されることはありません。一方、アルバイト・パートは明確な業務内容の規定がないので、就業後に業務内容が変更される可能性もあります。
派遣社員の場合、社会保険の所定労働時間の詳細は、派遣会社によって異なります。「週の所定労働時間が30時間以上」「1週間の所定労働時間が28時間以上かつ契約日数が1ヶ月で15日以上」などの規定があるので、派遣会社に確認しましょう。
雇用保険については、「1週間の所定労働時間が20時間以上」で「31日以上雇用される見込みがある」場合、すべての労働者に加入が義務付けられているため、派遣社員でもパート・アルバイトでも条件に違いはありません。
派遣社員のメリット・デメリット
介護・育児中の人が、派遣社員で働くメリット・デメリットを見てみましょう。
派遣社員のメリット
・派遣会社のサポートを受けられる ・複数の企業から、自分の希望に近い職場を選べる ・パートよりも比較的時給が高い |
派遣会社の大きな特徴は、求人紹介や面接の日程調整、就業後のトラブル対応など、就業前から就業後までのサポート・フォローが充実していることです。「この曜日は通院なので出勤が難しい」「子どもの帰宅時間に合わせて終業したい」などの条件も、派遣会社に交渉してもらえます。
また、派遣社員の時給は、パート・アルバイトよりも高い傾向にあるという特徴も。2022年11月度の三大都市圏の平均時給は、派遣社員が1,617円、アルバイト・パートが1,149円と、約500円もの差があります。
(出典:リクルート「JBRC ジョブズリサーチセンター」https://jbrc.recruit.co.jp/)
派遣社員のデメリット
・就業後はシフトや勤務時間を自由に選べない ・登録型派遣(一般派遣)が同じ職場で働けるのは最長3年 |
派遣社員は、派遣契約に基づき就業するので、急な勤務時間の変更などは難しくなります。介護や育児にかかわる急用ができた場合は、ほかの出勤日と振替、もしくは有給休暇で対応することになるでしょう。
派遣社員として同じ組織で長期的に働きたい人は、登録型派遣ではなく、無期雇用派遣を選ぶ必要があります。無期雇用派遣は月給制などのメリットがあるものの、勤務条件を選ぶ自由度が低くなるため、家庭の状況を考慮して選択してくださいね。
アルバイト・パートのメリット・デメリット
続いて、介護・育児中の人が、アルバイト・パートで働くメリット・デメリットを紹介します。
アルバイト・パートのメリット
・シフトを自由に希望できる ・スキルやキャリアがなくても働きやすい ・短期や長期など、自分で勤務期間を選ぶことができる ・掛け持ちができる ・1時間や2時間といった短時間の仕事も多い |
アルバイト・パートは一般的にシフト制なので、働く時間帯を自由に選べて、急な予定にも対応しやすいという特徴があります。介護者の通院や子どもの学校行事に合わせて、都度シフトの希望が出せるのは大きな魅力ですね。また、昼間の1〜2時間だけなどの求人も多いので、働きに出るハードルが低いというメリットもあります。
アルバイト・パートのデメリット
・責任のある業務は任されにくい ・キャリアアップが難しい ・収入が不安定 |
アルバイト・パートは重要度が低い仕事が多く、やりがいを感じられない可能性も。責任のある仕事はほとんど任せてもらえないので、スキルアップをめざしたい人にとっては物足りない環境といえます。また、シフトにより勤務時間が変動するので、月による収入の差が激しくなると考えられます。
【介護・育児中】派遣社員とパート・アルバイト、向いているタイプは?
派遣社員とアルバイト・パートは、どちらがいいというわけではなく、自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことが大切です。
「こまめにシフト調整がしたい」「2時間だけ働きたい」という人は、アルバイト・パートの事務職を検討してみては。一方、「派遣会社のサポートが欲しい」「時給は高いほうがいい」という人には、派遣社員がおすすめです。
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次回は、事務職の仕事内容から見た派遣社員とパート・アルバイトの違いを解説します!
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