派遣のお仕事図鑑　③経理事務

「経理事務はどんな仕事内容なんだろう？必要なスキルや仕事内容、やりがいを知りたい」。そんな方のために、派遣で働く経理事務のお仕事について解説します。会社におけるお金の流れを管理するのが経理事務。専門知識を活かして、キャリアアップをめざせるお仕事です。求められるスキル、適性、やりがいについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

経理事務とは

経理事務とは会社における現金の支払いや受け取り、伝票の仕分けや経費精算などを行う仕事です。会社でのお金のやりとりが正確に行われているか、日々の現金の動きを残高などで把握し、必要な処理を行います。会社で購入した消耗品や交通費など、建て替えで支払った際の対応なども経理事務の仕事です。

さらに売掛金の回収や買掛金の支払いなども行います。取引先から入金があるか、支払いができているかを確認。未回収金や未払金などがあった場合は、すみやかに対応しなければなりません。従業員の給与計算などを担当することもあります。

経理事務の仕事内容とは

経理事務の基本的な仕事内容は、会社のお金の動きを管理することです。記録されたデータは、最終的には年間の決算報告書としてまとめられます。経理事務が扱うのは、会社の財務状況を表すものとして、社内に加えて金融機関や税務署など、多くの関係者が活用する書類です。担当業務は日次、月次、年次に分かれています。それぞれの仕事内容を紹介しましょう。

日次業務

日次業務には、現金の入出金管理や銀行振込などを確認する現預金管理、従業員が立て替えた交通費などの経費の精算や仮払金の払い出しなどがあります。システムへの入力や伝票の発行、受発注や在庫の管理なども経理事務の仕事です。加えて、新規取引先の登録や取引先の与信チェックも行うことがあります。

月次業務

取引先からの入金管理や支払い、未収金の管理、請求書の発行などが経理事務の月次業務です。毎月の収支や利益、損失などを明確にする月次決算や、給与支払いなども行います。月次業務は業務量が多いうえに年次業務である決算書作成につながる重要な仕事なので、正確さが求められます。

年次業務

会社の決算対応の時期には、子会社を含む連結決算書の作成などに関わります。税務報告に加えて、企業の事業内容や営業状況、財務状況などをまとめた有価証券報告書などの資料作成の仕事もあります。年次決算は、その年度における会社の最終的な財政状況の発表でもあるので正確な記載が求められます。

経理事務で求められるスキルとは

経理事務の仕事では、どんな知識やスキルが必要になるのでしょうか。ここでは、主に派遣社員として働く経理事務が求められるスキルについて解説していきます。

事務処理スキル

最も重要なのは、事務処理スキル。データ入力や入出金管理など、経理事務の仕事を正確にスピード感をもって処理できるかが求められます。日々の現預金管理や月次の請求書発行など、間違えがないかどうか何度も見直して確認する姿勢が大切です。先輩や上司がチェックしてくれるとはいえ正確さが求められる仕事なので、一つひとつ責任をもって取り組むようにしましょう。

パソコンスキル

経理事務は、パソコンスキルも求められます。求められるのは、ExcelやWordでベーシックな機能を使いこなせるレベル。特に集計の仕事をすることが多いので、Excelの基本操作を身につけておくとよいでしょう。経理処理で使用するソフトについては、企業によって異なり、入社してから実務をしながら使い方を習得すれば問題ないという職場が多いようです。

コミュニケーションスキル

経理の仕事は、ひとつの部署では完結しないので、コミュニケーションスキルも求められます。仕入れや売上、在庫やコストなど、常に他の部署と情報共有や確認をしながら進めていきます。経理処理でおかしいと気づいたら、経理担当者や経理責任者に報告して関係部署に改善をうながすようにする必要があります。このように社内の重要な数字を扱う役割として細かい点にも気づいて報告できるとよいでしょう。

経理事務のメリット

経理事務をやってみたいと思いながら、キャリアアップの可能性や身につく知識・スキルなどが気になった人もいるのではないでしょうか。ここでは経理事務のメリットについて解説します。

会計の知識が身につく

会計の知識が自然に身につくのは、経理事務のメリットのひとつです。未経験の場合、初めのうちはデータ入力など比較的簡単な業務を任されることが多いですが、確実にこなしていくと会計の知識が身につきます。会計の知識が身につくと、副業や個人事業などに取り組む際の会計処理に活かせます。さらにお金のやりくりに関心をもつようになって、家計を見直すきっかけにもつながるでしょう。

経営に関する知識が身につく

経理事務のメリットとして、経営に関する知識が身につくことも挙げられます。経理事務は日々の入出金管理や年間の決算報告書など会社の財務状況の書類作成、つまり経営に直結する数字を扱う仕事です。経験を積んで、専門的な知識を手に入れられれば、経営状態について数字で把握できるようになります。

キャリアアップしやすい

経理事務は、キャリアアップしやすいのもメリットのひとつです。初めは日次業務だけだったのが、慣れると月次業務や年次業務といった難易度が高い業務に関われるようになります。経理のスペシャリストをめざしたい人は、知識のレベルを証明する日商簿記検定やビジネス会計検定などの資格があるので、実務経験を積みながら資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

プライベートと両立しやすい

定時で帰りやすいのも経理事務のメリットとして挙げられます。年間を通じて基本的なスケジュールが決まっている仕事で、忙しい時期があらかじめ想定できるので、突発的な残業や休日出勤はほとんど発生しません。ワークライフバランスを取りやすいので、家事や育児などプライベートも重視したいという人にはぴったりの仕事です。

経理事務のデメリット

経理事務は、デメリットもあります。実際に働いてみてから、こんなはずではなかったということにならないためにもしっかり把握しておきましょう。

繁忙期に忙しくなる

年次決算の時期に忙しく会社が多いようです。普段は定時で帰っていても、残業をしなければならないこともあるでしょう。決算の時期の忙しさを体験した人のなかには、経理事務は他の事務職よりも大変と感じている人もいるようです。必要な書類に不備があり、何度も修正しなければならないこともあります。多忙な時期は、臨機応変さや柔軟性が求められる仕事です。

専門知識を覚える必要がある

簿記や会計に関する知識を覚える必要があるのを、デメリットと考える人もいるでしょう。特に入社して間もないころは、聞き慣れない会計の専門用語や会計システムの操作に圧倒されて苦労する人も多いようです。比較的頻度の少ない月次や年次の仕事を覚えるのに時間がかかることもあります。未経験から経理事務にチャレンジする際に、あらかじめ簿記や会計などの知識を学んでアピールしたという人もいます。

経理事務の仕事のやりがいとは

経理事務の仕事は、どんなやりがいがあるのでしょうか。

他社でも通用するスキルが身につく

経理事務の仕事のやりがいは、他社でも通用するスキルが身につくことです。作成する資料の書式が違っていても、取り扱うデータや必要なスキルはほぼ共通です。経理事務の仕事をひと通り覚えれば、他社に転職する際に即戦力として評価される可能性が高まります。

人から感謝される

経理事務は関係する部門のメンバーをサポートする存在でもあるので、人に喜ばれるのがやりがいにつながります。書類の作成だけでなく、同じ仕事に関わる社員が仕事をしやすくなるような環境をつくることも大切です。ファイル管理や業務フローの改善などを図ることができれば、同じ職場のメンバーに感謝されてやりがいを実感できるでしょう。

会社の数字を把握できる

会社や組織のお金の流れを把握できるのは、経理事務ならではのやりがいです。将来的に経理のスペシャリストになれれば、組織の売上や経費を見渡すことができるようになり、課題や改善ポイントを把握できるようになります。日々、意欲的に業務に取り組みながらお金の流れを確認するなかで、わからないことがあれば上司や先輩に教えてもらうようにしましょう。

経理事務に向いている人とは

経理事務の仕事で、どんな人が向いているのか気になったという人もいるのではないでしょうか。経理事務の仕事に向いている人の特徴について解説します。

数字の入力や計算などが得意

経理事務に向いているのは、数字の入力や計算などが得意な人です。請求書の作成や売上データの入力作業など、数字に関する業務が多い仕事。ミスがないように集中して数字と向き合うことができて、細かい作業が得意な人に向いています。

データ集計が好き

経理事務は、会社のお金の流れをまとめる仕事なので、データを集計するのが好きという人が向いています。大量のデータを集計するという仕事を任されることがあるからです。なので、表計算ソフトのExcelなどを使ってデータ集計をするのが得意な人は、経理事務として重宝されるでしょう。

細かいところに気づける

会社の入出金の管理や経費処理などで多くのデータを取り扱うので、細かいところに気づける人が向いています。管理台帳に記載されている日付や金額、取引内容などに間違いがないか、しっかりチェック。データの細かいところにも目を向けてミスをなくすのが得意という人は、信頼されるでしょう。

未経験から経理事務を目指すにはどうしたらいい？

経理事務は、未経験可という求人が多い仕事。とはいえ、事務職は人気があり、応募が多い求人は経験者や資格取得者が優先されがちです。未経験者は、「簿記の資格を取得して知識をアピールする」「派遣社員として経験を積んでから正社員求人にチャレンジする」といった道もあります。

まとめ

今回は、経理事務の仕事について解説してきました。経理事務の仕事は、簿記や会計の知識を身につけたい、数字の入力や計算などが得意という人に向いている仕事です。実務経験を積みながら、専門的な知識を身につけてキャリアアップするという道もあります。経理事務の仕事内容や求められるスキルなどを知って、自分もやってみたいと思った人は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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