一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣はどこが違う?

事務職の派遣は、オフィスワーク初心者でも挑戦しやすく、確実にキャリアを積むことができます。人材派遣サービスの3つの種類、「一般派遣」「紹介予定派遣」「無期雇用派遣」について理解し、事務職への転職やキャリアアップを成功させましょう。

当記事では、事務職の派遣について、一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の特徴を、比較表でまとめます。さらに、一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣のメリットと注意点をそれぞれ解説するため、事務派遣への登録を考えている方は、ぜひご覧ください。

目次
1. 派遣で働く事務職とは?
2. 一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の比較
3. 【事務職】一般派遣
① 一般派遣で働くメリット
② 一般派遣で働く際の注意点
4. 【事務職】紹介予定派遣
① 紹介予定派遣で働くメリット 
② 紹介予定派遣で働く際の注意点
5. 【事務職】無期雇用派遣
① 無期雇用派遣で働くメリット
② 無期雇用派遣で働く際の注意点
6. 一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の選び方
まとめ

1. 派遣で働く事務職とは?

オフィスワーク未経験者や事務職へ転職したい人、希望の職場で事務職としてキャリアアップを図りたい人は、事務職の派遣を利用することをおすすめします。

事務系の派遣では、未経験者へのフォロー体制が整っており、派遣担当者からさまざまなアドバイスをもらえるため、事務職デビューに最適です。また、週に3日だけ・午前中だけなど勤務時間を選べるので、家庭と仕事を両立したい主婦の人にも、派遣の事務職が人気です。

派遣では、「派遣会社に登録し、事務職として働く」という形がベースになるものの、雇用期間などは派遣の種類によって異なります。派遣には、「一般派遣」「紹介予定派遣」「無期雇用派遣」の3つの種類があり、今後のキャリアプランやライフスタイルに応じて働き方を選ぶことが可能です。

事務職に転職したい人や、長く働きたい人は、自分の希望が叶う派遣の種類を選びましょう。

2. 一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の比較

一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の大まかな違いについて把握しましょう。

下記は、一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の特徴を比較した表です。

一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の特徴.
(出典:e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360AC0000000088

一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の大きな違いとして、雇用期間があります。労働者派遣法では、同じ派遣先で3年以上働くことはできないため、期限を過ぎると他の職場へ移らなくてはなりません。
しかし、無期雇用派遣では、派遣元と無期雇用の契約を結ぶため、期間に制限なく同じ職場で働くことが可能です。

なお、平成30年には労働者派遣法の改正により、派遣社員であっても派遣先の正社員と同等の福利厚生や手当を保障する「同一労働同一賃金」が義務化されています。

(出典:厚生労働省「平 成 30 年 労 働 者 派 遣 法 改 正 の 概 要 <同一労働同一賃金>」https://www.mhlw.go.jp/content/000594487.pdf

次項より、一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の詳細について解説します。

3. 【事務職】一般派遣

一般派遣(登録型派遣)とは、派遣会社に登録後、紹介された派遣先にて、最長3年の契約期間内で働くことです。契約期間満了後は、別の企業の事務職として再び派遣されます。

一般派遣では、派遣会社に勤務地や勤務時間の要望を出し、派遣担当者が提案する派遣先から希望の勤務先を選ぶことが可能です。
事務職未経験の人は、派遣担当者に未経験歓迎の職場を選んでもらうと、スムーズに働くことができるでしょう。

労働派遣法によって、派遣先による選考は禁止されているため、就業前には職場見学などの機会が設けられるケースが一般的です。しかし、実際には職場見学後に採用の可否が決定するため、職場見学時の服装やマナーには十分注意し、万全の体制で臨む必要があります。

① 一般派遣で働くメリット

一般派遣は自由度が高いため、自分の希望に応じた働き方ができるでしょう。下記に、一般派遣で働くメリットを3つ紹介します。

・ライフスタイルに合わせやすい

一般派遣では、派遣会社に自分の要望を出すことができ、さらに紹介された中から派遣先を選べるため、希望条件を満たす職場で事務員として働けます。勤務地や休日を選べるので、家庭やプライベートとも両立しやすく、ライフワークバランスが充実するでしょう。

・さまざまな職場で事務職を経験できる

事務職の業務内容は、データ入力や来客応対、ファイリングなど多岐にわたり、詳細は職場によって異なります。一般派遣は、短期間のスパンでさまざまな職場で働くため、自分に合う業界を見つけることができるしょう。

・短期間雇用のため、人間関係などに悩みにくい

一般派遣では、雇用期間が決まっているため、同じ人間関係に悩むことがありません。契約期間満了後に、フラットな気持ちで新たな職場に向かえることは、一般派遣のメリットと言えるでしょう。

② 一般派遣で働く際の注意点

一般派遣は、ライフスタイルに合わせて融通が利きやすい反面、注意点も存在します。下記に、一般派遣で事務職として働く際の注意点を3つ紹介します。

・待機期間中は給与が発生しない

一般派遣では、派遣先が決定している期間のみ、派遣会社との雇用関係が結ばれます。したがって、派遣先がない待機期間中には給与が支払われません。賞与もないため、給与面を重視する人は、一般派遣の待遇を不満に感じることもあるでしょう。

・キャリアアップが期待できない

短期契約である一般派遣には、責任のある仕事が任されにくく、スキルアップや昇給が難しいというデメリットがあります。事務職として役職を目指したい人や、将来的に同じ企業で長く勤めたい人には不向きと言えるでしょう。

4.【事務職】紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、直接雇用(正社員・契約社員)を前提とし、最長6か月の契約期間を派遣社員として働く制度です。

紹介予定派遣を利用する際には、派遣先と派遣社員の双方が、契約期間後の直接雇用が前提であることを理解している必要があります。契約期間満了後は、双方の合意によって直接雇用へと移行します。

下記は、紹介予定派遣からの職業紹介と直接雇用者数です。

紹介予定派遣からの職業紹介と直接雇用者数
(出典:厚生労働省「令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」https://www.mhlw.go.jp/content/11654000/000921238.pdf

上記によると、職業紹介を行った約7割の人が、直接雇用に結びついていることがわかります。直接雇用を目指す人であれば、紹介予定派遣を利用する価値は高いと言えるでしょう。

通常であれば派遣先による面接はないものの、紹介予定派遣は直接雇用を前提としているため、就業前には派遣先の面接を受けて合格することが必要です。企業によっては、派遣入社時と、直接雇用時の2回に試験を行うケースもあります。

なお、紹介予定派遣の最長期間は6か月間であり、6か月を超えて派遣社員として働くことはできません。

① 紹介予定派遣で働くメリット

紹介予定派遣は、いずれ正社員を目指す人にとってメリットの大きい働き方です。下記に、紹介予定派遣で働くメリットを3つ紹介します。

・正社員として働く前に、職場環境を体感できる

紹介予定派遣では、実際に職場の雰囲気やスタッフの様子を確認でき、派遣先が自分に合わないと感じた場合は直接雇用を断る事も可能です。企業側としても、ミスマッチを防ぎ、優秀な人材を確実に確保できるというメリットがあります。

・事務職未経験でも正社員を目指せる

紹介予定派遣は、派遣期間が設けられているため、事務職未経験の人も業務を学びながら働くことが可能です。派遣会社の研修制度なども利用すれば、ビジネスマナーやパソコンスキルを習得する時間は十分にあるでしょう。

・直接雇用に結びつかなくても、次の職場を見つけやすい

紹介予定派遣では、直接雇用に至らなくても派遣会社から次の職場を紹介してもらえるので、就職活動を効率よく進めることができます。
入社前から就業後まで、派遣担当者の心強いサポートを受けることができるので、1人での就職活動が不安な人にもおすすめです。

② 紹介予定派遣で働く際の注意点

紹介予定派遣で働く際には、直接雇用に対する目標を明確に持ち、下記2点に注意しましょう。

・直接雇用が正社員ではなく、契約社員であるケースもある

直接雇用には、正社員だけではなく、雇用期間の定めがある契約社員も含まれます。紹介予定派遣の募集要項では、正社員登用か、契約社員登用かが示されているので、自分の希望に合った求人に応募することが大切です。

また、派遣担当者にも正社員希望など、自分の意見をしっかりと伝えておきましょう。

・直接雇用が決まらなければ、職場を転々とすることになる

紹介予定派遣の派遣期間は最長6か月であるため、直接雇用が決まらなければ、約半年サイクルで職場が変わり続けます。何度も面接を繰り返し、新しい職場に馴染まなくてはならず、精神的な負担を感じる可能性もあるでしょう。

5.【事務職】無期雇用派遣

無期雇用派遣(常用型派遣)とは、派遣会社に直接雇用され、派遣会社の正社員として派遣先で働く雇用形態のことです。無期雇用派遣は、平成27年の労働者派遣法の改正によって制定されて以来、安定した働き方ができる派遣として人気を集めています。

無期雇用派遣では、派遣会社によって採用されているため、派遣先での契約期間に定めがなく、長期間にわたり同じ企業や部署の事務職として勤めることが可能です。
派遣会社のシステムによっては昇給を見込めるケースもあり、モチベーションを高く保てるでしょう。

無期雇用派遣の労働者数は、令和3年6月1日時点で676,861人で前年より10.8%増加しており、今後も登録者は増えると予想できます。

(出典:厚生労働省「労働者派遣事業の令和3年6月1日現在の状況(速報)」https://www.mhlw.go.jp/content/11654000/000920932.pdf

① 無期雇用派遣で働くメリット

無期雇用派遣は、派遣の不安定な部分をカバーできるため、事務職として長く勤めたい人におすすめです。下記に、無期雇用派遣で働くメリットを3つ紹介します。

・毎月安定した給与が発生する

無期雇用派遣では、派遣会社と雇用関係にあるため、派遣先が決まっていなくても毎月給与が発生します。このため、月による給与の変動がなく、安定した生活を送ることが可能です。

・事務職としてキャリア形成やスキルアップを目指せる

無期雇用派遣では、1つの会社や部署に長く勤め、事務職の経験を積むことができます。契約期間切れによるキャリア断絶が起こらないため、目標を持って働けるでしょう。

・事務職未経験者へのサポートが手厚い

無期雇用派遣では、事務職未経験者への研修制度が充実した会社や、就業中のサポートが手厚い会社が多く、オフィスワーク未経験の人でも安心して勤務することができます。

また、無期雇用派遣では、未経験者でも大手企業の事務職として働ける可能性が高いことも魅力です。

② 無期雇用派遣で働く際の注意点

魅力の多い無期雇用派遣ですが、働く際には注意点も踏まえておきましょう。下記に、無期雇用派遣の注意点を2つ紹介します。

・派遣先での昇給や昇進は見込めない

無期雇用派遣は、あくまでも派遣会社の社員であるため、派遣先社内での出世は見込めません。しかし、派遣先手当や評価制度を導入している派遣会社であれば、派遣会社内でのキャリアアップを目指すことが可能です。

・希望の派遣先に配属されるとは限らない

無期雇用派遣では、派遣会社の業務命令に従い働くことになるため、基本的には自己都合による派遣先の変更や契約解除などはできません。勤務地や休日、就業時間などは、希望を聞き入れてもらえない可能性もあります。

ただし、派遣社員の希望が優先されるケースもあるため、良心的な派遣会社を選べば、無期雇用派遣でも自分の希望に近い職場で働くことができるでしょう。

6. 一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の選び方

一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の選び方の例を、下記にまとめます。事務派遣に登録する際の参考にしてください。

一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の選び方の例

派遣に登録する際には、派遣の種類と合わせて、事務職求人の取り扱いが多く、信頼できる派遣担当者が在籍する派遣会社を選ぶことも大切です。安心して働ける派遣会社を選び、事務のキャリアを築きましょう。

まとめ

事務職デビュー・キャリア形成には、派遣への登録がおすすめです。派遣には、一般派遣・紹介予定派遣・無期雇用派遣の3つの種類があります。

一般派遣では、3年以内の契約期間内で派遣先で働きます。紹介予定派遣は、直接雇用(正社員・契約社員)を最終的な目的とした派遣です。無期雇用派遣では、派遣会社の社員として、期限を設けずに長期的に働くことができます。

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