正社員・派遣社員も仕事が変わる?コールセンター・カスタマーサポートのIT最新事情【前編】

チャットボットの普及、オムニチャネル化によるコミュニケーションの多様化や円滑化、データ活用による対応品質の向上、履歴管理や分析など、コールセンターのIT化が進んでいます。電話以外のツールを使う機会も増えたため、コンタクトセンターと呼ばれるケースも増えてきました。

また、コールセンターはお客様の生の声を聞ける場所であり、CX向上に貢献できると判断して力を入れる企業も増え、カスタマーサポートと言われることもあります。

ITが導入されることで、コールセンターの仕事内容はどのように変わっていくのでしょうか。2回に分けて、解説します。

業務効率化が進む

AI(人工知能)の導入の波は、コールセンター業界にも押し寄せています。今まで人が行っていた業務をAIが代わりに行うことで、業務量や業務にかかる時間を大幅に削減することが可能になりました

特に導入が進んでいるのがチャットボットです。簡単な問い合わせはチャットボットで対応できるため、人間は複雑な案件のみの対応で済みます。また、チャットボットは24時間365日稼働しているため、お客様はコールセンターの営業時間を気にすることなく、すぐに悩みや疑問を解決できるというメリットもあります。

他にも、リアルタイムでお客様との通話内容をテキスト化できる音声AI認識システムも多く導入されています。テレフォンオペレーターは通話後に応対履歴をまとめる必要がありますが、AIの導入で事後処理の時間を短縮できます。また、経験豊富で優秀なオペレーターの対応内容をテキストで読んで勉強することもできますし、オペレーターを管理するSV(スーパーバイザー)はコンプライアンス違反やトラブルのきっかけを探しやすくなるなど、コールセンターの品質向上にもつながります。

今までもオペレーターはマニュアルを見ながら対応できましたが、必要な情報を探し出す手間と時間がかかっていました。しかし、AIが音声を認識し、問い合わせ内容に対する回答マニュアルをオペレーターの端末に表示させることができるようになったため、オペレーターは伝えることだけに集中できます。過去の対応履歴の表示も可能なため、以前の対応を参考にすることもできます。

また、電話応対はどうしても表情が見えないため、お互いに誤解が生じたり、トラブルにつながったりしやすくなります。しかし、声の周波数をAIが分析し、会話の内容と合わせて満足や喜び、怒りや不満といった感情を推測する技術が登場。クレーム対応がきついというイメージのあるコールセンターですが、技術により改善が行われています。

ITで代替できないコミュニケーション力の重要性が高まる

チャットボットやAIの導入が進み、業務の効率化が進んでいますが、ITでは対応できない領域も存在しており、オペレーターの業務がなくなることはありません。むしろ、人が対応する重要性や価値が高まるといえます

現在、多くのコールセンターでは、一時的な対応はチャットボットが担い、チャットボットで対応できない案件をオペレーターが対応するスタイルが定着しつつあります。コールセンター・カスタマーサポートの仕事は、今まで以上に高いコミュニケーション能力が求められることになるでしょう。

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コールセンター・カスタマーサポートはITツールで効率化が進んでいますが、力を入れる企業は増えておりなくなることはありません。むしろ、これからますます価値が高まっていく仕事と言えるでしょう。

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後編では、IT導入で変わる働き方やキャリアパスについてレポートします。

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