残業、異動、飲み会、日雇い派遣社員がしなくてもいいこと、教えます！

基本的に、派遣社員は契約書にない業務をする必要はありません。「会社の飲み会が嫌」「残業はなるべくしたくない」という人には、派遣社員の働き方が向いているといえます。

今回は、「派遣社員がしなくてもいいこと」の一部と、派遣で働くことがメリットになる人の特徴を紹介します。

1.　派遣社員がしなくてもいいこと

派遣社員は、「どのような仕事でも引き受けなければならない」というわけではありません。労働者派遣法には、派遣社員に依頼してはいけない業務が禁止事項として明記されています。それらを守らない場合は法律違反となり、派遣会社もしくは派遣先企業が罰則を受ける可能性もあるのです。

ここでは、労働者派遣法に則って、派遣社員がしなくてもいい業務を紹介します。

（出典：e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」/https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360AC0000000088）

　1.　契約にない残業

派遣社員が残業をする際には、下記2つの条件を満たす必要があります。

・派遣会社と派遣社員の間で36協定を締結している ・就業条件明示書に残業時間が明記されている

したがって、派遣会社と派遣社員の間で36協定が結ばれていない、もしくは就業条件明示書に残業の旨が記載されていない場合は、残業を断ることができます。

就業条件明示書に「1日〇時間、1ヶ月〇時間以内」などの残業の条件が記載されている場合、その範囲内であれば残業を引き受ける必要があります。しかし、条件を超過した場合は、残業をしなくても構いません。就業前に、就業条件明示書に残業の記載があるかを確認しておきましょう。

　2.　組織異動

原則として、派遣期間中の部署異動や組織異動は禁止されています。就業条件明示書には所属部署や業務内容が細かく記載されているので、それらを守らなければ契約違反にあたるためです。

ただし、下記2つの条件を満たす場合は、派遣社員の組織異動が可能となります。

・派遣先企業と派遣社員、双方の合意があること ・派遣の契約期間を満了していること

組織異動を行うタイミングは、派遣の契約更新時に限られます。たとえ派遣先企業と派遣社員が合意をしていても、契約期間中に組織異動を行うことはできないので注意してください。

　3.　転勤・出張

契約書には派遣社員の勤務地が記載されており、その場所以外で働くことは契約違反にあたります。派遣社員が転勤や出張を行う際は、転勤・出張の可能性、転勤手当、出張手当、期間、交通費、保障などの詳細を、契約書に明示しなくてはなりません。

近距離の出張であっても、万が一事故が起きた場合の保障が問題となるケースもあるため、安易に引き受けることは控えましょう。もし、派遣先企業に転勤や出張を依頼された場合は、断るか契約書を作成し直す必要があるので、派遣会社に相談してください。

　4.　飲み会や接待

派遣社員には、飲み会や接待に参加する義務はありません。原則として、派遣社員に飲み会や接待を強制することは禁じられていますが、派遣先企業からどうしても参加してほしいと依頼された場合は、派遣会社に相談しましょう。

一般派遣であれば、派遣先企業で何十年と勤めるわけではないので、飲み会を断るのも気が楽というメリットもあります。

　5.　日雇いの仕事

労働者派遣法では、労働契約期間が30日以内の日雇い派遣を禁止しています。たとえ勤務期間が1日だけであっても、派遣会社との労働契約は31日以上なくてはなりません。

ただし、下記の条件に当てはまる場合は、日雇い派遣の例外として認められます。

①例外業務に当てはまる場合（ソフトウェア開発／機械設計／通訳、翻訳、速記／秘書など） ②次のうち、いずれかに該当する者 　・60歳以上 　・雇用保険の適用を受けない学生（昼間学生） 　・副業として従事（生業収入が500万円以上） 　・主たる生計者以外（世帯収入500万円以上）

（出典：厚生労働省「日雇派遣の原則禁止について」/https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000644420.pdf）

もし、日雇い派遣で働きたい場合は、派遣会社に相談し、自分が例外に含まれるかを確認してもらいましょう。

2.　派遣で働くことがメリットになる人の特徴

「派遣社員がしなくてもいいこと」を踏まえて、派遣の働き方がメリットになる人の特徴を紹介します。派遣社員として働くか悩んでいる人は、参考にしてくださいね。

・業務外の雑務をしたくない人

飲み会や接待、社内イベントやサークルなどが苦手な人には、参加を強制されない派遣社員が向いています。契約書にない業務であれば引き受ける必要はないので、断っても引け目を感じずに済みますよ。

・プライベートの時間を確保したい人

ライフワークバランスを重視する人には、派遣社員がおすすめです。就業時間は契約でしっかり定められており、必要以上に残業をする必要がないので、自分の時間をしっかり確保できます。正社員のように、急な出張や転勤の可能性もありません。育児や家事との両立もしやすいので、無理なく仕事を続けることができるでしょう。

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