履歴書・職務経歴書でアピールできる事務スキルとは?

派遣で事務職として働く際には、履歴書・職務経歴書が必要となるケースがあります。事務派遣では、志望動機よりも事務スキルが重視されることも多いので、自己PRはしっかりと記載しましょう。

当記事では、事務職の派遣として働く際に、履歴書・職務経歴書でアピールできる6つの事務スキルを紹介します。さらに、事務職の経験者・未経験者それぞれの履歴書の書き方と、アピールできる性格・長所についても解説するので、事務派遣で履歴書を書く際の参考にしてください。

1. 派遣社員に履歴書・職務経歴書は必要?

派遣社員が履歴書・職務経歴書を提出するタイミングは、主に下記の2回です。

(1)派遣会社に派遣社員として登録するタイミング

(2)紹介予定派遣で派遣先の選考を受けるタイミング

派遣会社は履歴書・職務経歴書を見て、自社が抱える派遣社員の中から、派遣先にふさわしい人材を選定します。履歴書不要で登録可能な派遣会社も多いものの、履歴書・職務経歴書があると面談がスムーズに進むでしょう。

労働者派遣法では、派遣社員を受け入れる際の事前面接を禁止しているため、派遣先企業に履歴書・職務経歴書を提出することはありません。(労働者派遣法第26条)

しかし、直接雇用を目的とした紹介予定派遣では、派遣を受け入れる際に面接の機会を設けることが許可されており、派遣先企業への履歴書・職務経歴書の提出が必要です。

派遣社員として事務職に就くチャンスを広げたい人は、履歴書・職務経歴書の準備をしておきましょう。

2.【事務職の派遣】履歴書・職務経歴書でアピールできる事務スキル6選

派遣社員として働く場合は、紹介予定派遣を除いて、志望動機よりもスキルや適性が重視されます。履歴書の「自己PR」、職務経歴書の「活かせる経験・スキル」は、派遣会社から特に注目されるポイントです。

派遣会社が履歴書・職務経歴書を見る際に注目する部分は、主に下記の3点です。

・事務スキル
・どのくらいの期間働けるか(長期間の仕事が向いているか)
・派遣先の雰囲気に合っているか

派遣期間や派遣先の雰囲気については、派遣社員本人の希望が考慮されることも多いでしょう。

事務スキルは、資格のほかに、本人の性格や能力なども判断材料となります。事務職として役立つスキルが伝わる履歴書・職務経歴書を作成すれば、自分に合う派遣先で働くことができるでしょう。

ここでは、履歴書・職務経歴書でアピールできる事務スキルを6つ紹介します。

① コミュニケーション力

事務職は、他の社員や取引先と接する機会が多いので、業務を円滑に進めるためのコミュニケーション力が欠かせません。事務職で必要となるコミュニケーション力は、会話の上手さや社交性ではなく、チームワークを大切にする能力です。

事務職は、他の社員への報連相を徹底し、業務が滞りなく進むようにサポートすることが求められます。社内の雰囲気を良好に保つよう、日頃の挨拶を徹底したり、他の社員が依頼しやすい態度で接したりといった配慮も必要です。

また、事務職は、社外とのメール・電話応対や、来客応対を任されるケースもあるので、ビジネスマナーも必要となります。

② OAスキル

Word・Excel・PowerPointといったMicrosoft officeソフトを扱えるスキルは、事務職の履歴書・職務経歴書で積極的にアピールしたいポイントです。MOS資格を所有している場合は、履歴書の資格欄に必ず記入しておきましょう。

特に、営業事務や企画事務では、PowerPointなどを用いたプレゼンテーション資料を任されることも多いので、自分で一から資料作りができる人は事務職として重宝されます。

とはいえ、事務職として初めて派遣される場合は、フォーマットへ対する簡単な入力などを任されるケースが多い傾向です。基本的なPC操作を理解しており、office系ソフトを扱った経験がある人であれば、事務業務にもスムーズに馴染めるでしょう。

③ ヒアリング力

事務職には、依頼の意図を正しく汲み取るためのヒアリング力が必要です。ヒアリング力のある事務職員は、重要な部分にフォーカスした資料作成を行ったり、自発的に参考データを用意したりなど、主体性のある仕事ができます。

取引先や顧客からの要求を正しく受け取るためにも、ヒアリング力が欠かせません。ヒアリング力がある人は、事務職として的確なサポートを行えると判断され、企業からも重宝されるでしょう。

一方で、自分の解釈を正当化せず、分からない箇所は相手に確認することも大切です。見当違いのサポートでは、かえって相手に迷惑をかけることになります。自分の判断で進める部分と、質問するべきケースとのバランスを図ることも大切です。

④ ホスピタリティ

ホスピタリティとは、ラテン語の「hospes(客人の保護者)」から派生した言葉で、ビジネスにおいては「心からの思いやり、手厚いもてなし」といった意味で用いられます。縁の下の力持ちである事務職には、ホスピタリティの精神も欠かせません。

たとえば、他の社員が困っている業務を率先して引き受けたり、読みやすいように資料のフォーマットを作ったりといった気遣いは、ホスピタリティに溢れた対応と言えます。事務職のささやかな心遣いは、他の社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。

来客応対が多い職場でも、事務職としてホスピタリティのある人が喜ばれます。雨の日の愛客時にはタオルを用意するなど、マニュアル以外でも自分ができることを考えられる人は、ホスピタリティの高い事務職として活躍できるでしょう。

⑤ 正確性・スピード・情報処理能力

事務職の業務内容はデータ入力から伝票処理まで多岐にわたり、それらすべての業務において、正確かつ迅速な作業が求められます。事務職では細かな数字を扱うことが多いため、責任を持って正しく計算し、集中して業務に取り組まなくてはなりません。ミスが生じた場合には、同じ過ちを防ぐための仕組みを作るなど、常に正確性とスピードの効率化を考えることが大切です。

また、事務職には、必要な情報を的確に判断する情報処理能力も必要です。事務職では、常に複数の依頼を抱えるシーンも多いので、優先順位を明確にし、効率よく業務を進めなくてはなりません。情報処理能力と合わせて、納期を守るスケジュール管理能力も求められるでしょう。

⑥ 業務効率化・業務改善力

他の社員がスムーズに仕事を行えるように、率先して業務効率化を推進できる人は、企業にとっても事務職として力強い存在です。事務職はルーティンワークというイメージが強いものの、その本質は単純作業をこなすことではなく、業務を効率よく行うことです。

営業職など他の社員は、メインの業務に集中するあまり、業務フローの効率にまで目が届かないケースも少なくありません。現状の業務パターンに非効率的な部分がある場合は、事務職が積極的に業務改善に乗り出しましょう。

自ら問題提起をして、よりよい職場環境を作っていけることも、事務職として十分にアピールできるスキルと言えます。

3.【経験者・未経験者別】事務派遣の履歴書・職務経歴書のポイント

事務派遣の履歴書・職務経歴書を作成する場合は、これまでの経験によってアピールポイントが異なります。オフィスワーク未経験の人も、履歴書の書き方次第で、事務職への転職が有利に進むでしょう。

ここでは、事務職の経験者・未経験者に分けて、派遣の履歴書・職務経歴書を作成するポイントを解説します。

①【事務経験者】経験を活かした履歴書・職務経歴書を作成

事務職の経験者は、以前の職場で身につけたスキルや成功体験を、履歴書・職務経歴書に記載しましょう。

下記に、事務職の経験者の、履歴書・職務経歴書の記載例を紹介します。

・〇〇会社の一般事務として5年間勤め、見積書や納品書の作成、経費精算、データ入力などの業務に携わりました。新しいシステムの導入や営業活動が活発な企業であったため、積極的にマニュアルやフォーマットを作成し、業務効率化に努めました。

・事務職として専門性向上を目指し、MOS Expert資格を取得しました。業務の質・スピードが向上し、社内会議用の資料はすべて担当するなど、活躍の機会を多くいただきました。企画・販売に興味があるため、前職での経験を活かし、企画事務を希望しています。

事務職の仕事内容は業界や企業により異なるため、自分が担当してきた業務を詳細に記載すると、具体性のある履歴書になります。また、事務職として勤めたい業界がある場合は、事務スキルと合わせて記載しておくと、派遣会社に考慮してもらえるでしょう。

②【事務未経験者】事務職に応用できるスキルをアピール

これから事務職に就きたい人、異業種から事務職への転職を考えている人は、これまでの経験の中から、事務職で活かせるスキルをアピールすることができます。

下記に、事務職へ転職する場合に、履歴書・職務経歴書でアピールできる事務スキルの具体例を紹介します。

飲食業・追加でオーダーされたドリンクは、お客様が飲みやすい位置にさりげなく置くなど、ホスピタリティのある接客を心がけました。前職で養ったホスピタリティ精神を事務職で活かし、企業をサポートする存在として活躍したいと考えています。
小売業・毎月の売上管理や在庫管理を担当し、正確かつスピーディな事務処理能力を養いました。ExcelやWordの基本スキルは身につけており、事務職の業務に活かしたいと考えています。
・お客様の希望をお伺いし、ニーズに応じた商品をお勧めすることで、売上を伸ばしました。ヒアリング力を活かし、事務職として頼られる存在を目指したいと思っています。

派遣の履歴書・職務経歴書には、これまでの職業経験がどのように事務職に役立つのかを、具体的なエピソードを交えて記載しましょう。学生は、バイトやサークル活動の経験を盛り込んでもよいでしょう。

また、事務職を目指すにあたって、これから取得予定の資格や、今勉強していることなどを記載することもおすすめです。派遣会社から意欲が評価され、事務職として活躍できる可能性が広がります。

4. 事務職の履歴書・職務経歴書でアピールできる性格・長所

事務職へ転職したい人や、オフィスワーク未経験の人は、自分の性格や長所を履歴書・職務経歴書でアピールすることが可能です。

派遣会社は本人のスキルだけでなく、派遣先の社風や求める人材に合うかという点も考慮しています。事務職に転職したい人は、「自分には事務スキルがないから」と諦めるのではなく、積極的にチャレンジすることが大切です。

ここでは、事務職の履歴書・職務経歴書でアピールできる性格・長所を3つ紹介します。

① コツコツ作業が好き

事務職は、数字の打ち込みや計算、仕分けといった繊細な業務が多いので、コツコツ作業が好きな人に向いている仕事です。一つひとつの仕事を丁寧に根気よく行える人は、履歴書で積極的にアピールしましょう。

「コツコツ作業が得意」といった直接的な表現ではなく、1つのことを継続できる粘り強さや計画性をアピールすると、より魅力的な履歴書になります。アルバイトなどでデータ入力や内職といった細かな作業を行ったことがある人は、経験も交えて自己PRを書くとよいでしょう。

② 責任感がある

事務職には、依頼された仕事を責任を持ってやり遂げることが望まれます。責任感がある事務職は、派遣会社からはもちろん、派遣先の社員からも信頼されるでしょう。集中して業務に取り組み、納期を守れる人は、責任感があることを事務派遣の履歴書でアピールしてください。

事務派遣の履歴書・職務経歴書で責任感をアピールする際には、継続性を取り入れることもポイントです。「職場の戦力になれるよう、半年後の資格取得を目指した」など、具体的な期間を示し、常に責任を持てる人材であることを示しましょう。

③ 臨機応変な対応力がある

多様な業務を一度に抱えることも多い事務職では、柔軟な対応力も求められます。事務職といえども、イレギュラーな事態に出会わないとは限りません。ときには自分の知識では対応できない問合せを、社内外から受けることもあるでしょう。このような場合に、迅速かつ相手のニーズを満たす対応を瞬時に判断できる事務職は、企業の心強いサポーターとなります。

接客業や飲食業で勤務経験がある場合は、顧客の依頼に対して冷静に応じたエピソードなどを用いて、対応力をアピールしましょう。「自分の方法論にこだわらない」「緊急時に適切に行える」といったことも、対応力のアピールとして効果的です。

まとめ

事務職の派遣で書く履歴書・職務経歴書では、事務スキルをアピールすると、派遣会社との面談がスムーズに進みます。コミュニケーション力・OAスキル・ヒアリング力・ホスピタリティ・情報処理能力・業務改善力は、事務職に役立つスキルです。

事務職経験者は、前職の経験を具体的に記載します。未経験者は、事務職に活かせるスキルを、エピソードを交えて記載しましょう。スキルのほかにも、コツコツ作業が好きなことや、責任感をアピールすると、事務職への適性を示すために役立ちます。

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